頭痛・片頭痛(偏頭痛)の用語集

頭痛用語集

監修:
国際頭痛センター長 坂井文彦 先生
神奈川歯科大学附属横浜クリニック 内科学講座教授 五十嵐久佳 先生

頭痛に関する用語集になります。
頭痛にまつわる、いろいろな単語を解説します。

脳腫瘍

脳腫瘍は脳に発生する腫瘍の総称。
脳に腫瘍ができると、その分正常な脳が圧迫されることにより、脳の圧迫症状が出ます。脳は、どの部分においても、必ずそれに対する神経機能をもっていますので、その部位が腫瘍によっておかされると、その部位に特有な神経局所症状を現すことになります。

症状:
脳圧迫症状として、頭痛、嘔吐、鬱血乳頭(眼底のはれ)の3つの徴候があります。 局所症状は、腫瘍のできる部位によってさまざまではありますが、けいれん、半身の運動・感覚麻痺、視力障害、内分泌障害、聴力障害、眼球運動障害などがよくみられます。意識障害、精神障害、運動失調などが起こることもあります。
脳腫瘍においては、これらの症状が自然に改善されることはほとんどなく、つねに進行していくことが特徴です。

クモ膜下出血

脳を表面を覆っている薄い膜であるクモ膜と脳のあいだの狭いすきまに出血が起こる病気です。クモ膜下出血は、発病1~2日で約3分の1が死亡する病気といわれています。仮に1回目の出血で死亡を免れた場合でも、再発の危険性が多く、1~3週間以内に2度3度と出血を繰り返すことがあります。

症状:
前駆症状として複視(物が二重に見える)などを訴えることもありますが、多くは突然激しい頭痛と嘔吐の発作が起こり、意識が混濁します。意識が回復した場合は、しきりと頭痛を訴えます。重い症状の場合には深い昏睡、けいれん、呼吸困難となります。

髄膜炎

症状:
発熱および首から後頭部にかけて強い痛みが起こります。うなじが硬くなって(髄膜刺激症候)、重症の場合には意識障害が現れます。
最も多いものはウイルス性髄膜炎で、頭痛は数日でピークに達します。意識障害はあっても軽度で、約2~3週間の経過で症状はよくなります。一方細菌性髄膜炎では頭痛、発熱に引き続き、痙攣、意識障害、吐き気、嘔吐などが急激に出現します。脳神経麻痺や水頭症をきたすこともあり、ウイルス性髄膜炎に比べて重篤です。
また、結核性髄膜炎や真菌性髄膜炎は比較的少ないですが、診断が遅れると重篤になります。しばしば、難聴、失明を残す場合もあります。

緊張型頭痛

頭痛は頭の両側か頭全体に起こります。痛みの症状は「頭重感」や「圧迫感」、頭の周囲の「締め付け感」として感じられます。頭痛の持続時間は30分から7日とされていますが、慢性的に毎日朝から晩まで頭痛が続く人もいます。
緊張型頭痛は、ストレスが原因によって引き起こされると考えられています。
原因となるストレスの種類は(1)精神的なストレスと(2)身体的なストレスに大別できます。

群発頭痛

群発頭痛の痛みは、片側の目の周囲あるいは、目の奥に起こり、えぐられるような、何かで突き刺されるような、激しい痛みです。
痛みは通常、同じ場所に現れますが、左右交代に痛みが現れたり、両側性で現れる場合もまれにはあります。痛みの症状は、短くて15分、長くても3時間で消失します。痛いほうの側の流涙、目の充血、鼻閉・鼻汁などを伴うのが特徴です。男性に多い(男女比3.5:1)頭痛です。
群発頭痛の原因は解明されていませんが、「頭部の血管が拡張して痛みが生じる」という説が一般的に考えられています。群発頭痛の痛みの発作は、一旦起こり始めると、毎日のように同じ時間に痛みが出現します(群発期)。この時期にアルコールを飲むと痛みが誘発されます。このような痛みの発作は1~2か月過ぎると、まったくなくなりますが(寛解期)、通常は半年から2~3年後に同じような痛みが起こります。

セロトニン

セロトニンは、腸粘膜、血小板、中枢神経系などに存在し、神経伝達物質として働き、腸管、気管支の平滑筋や血管などを収縮させます。

MAO

モノアミン酸化酵素の略。ミトコンドリアの外膜と内膜の間に存在します。肝、腎、腸管に活性が高く、外来性アミンの解毒に役立っています。

CGRP

カルシトニン遺伝子関連ペプチドの略。三叉神経終末からこれが放出されると三叉神経支配下の血管周囲に神経原性の炎症が起こり、その刺激が痛みとなり伝達され頭痛発作が起こります。

三叉神経

脳神経中もっとも太い神経で、脳を出てすぐに3つに分かれるので、三叉神経と呼ばれてます。この3つの枝は眼神経、上顎神経、下顎神経と呼ばれ頭部、顔面、口腔、鼻腔、角膜などの感覚、咀嚼運動をつかさどります。
また、顔面の神経痛はこの三叉神経により起こります。

閃輝暗点(せんきあんてん)

視野の一部が見えなくなり、それがギザギザ光る波となって視野周囲に向かって広がっていき、その内部が見えなくなる現象。片頭痛の前兆として起こります。

非ステロイド抗炎症薬

NSAIDsともいう。化学構造的にステロイド骨格を持たない抗炎症薬の総称で、主に鎮痛、解熱、抗炎症作用を示します。

エルゴタミン製剤

酒石酸エルゴタミン。片頭痛治療薬のひとつ。血管の平滑筋に直接的に作用し、収縮させることによって頭痛を抑えます。長期にわたり服用することにより、高度の血管収縮や動脈内膜炎、頭痛を引き起こすことがあるのでのみ過ぎの場合は注意が必要です。妊娠中、授乳中は禁忌です。

経口

経口投与。口腔から薬物を体内に入れることです。一般的にいわれているのみ薬は、経口投与です。

禁忌

薬剤を投与してはいけないという意味。患者の症状、体質、合併症等からみて薬剤を投与してはならない患者について「禁忌」と表記します。

β遮断薬

交感神経抑制薬。主に高血圧治療薬として用いられていますが、片頭痛にも効果があることが証明されています。(日本では保険適用外)

カルシウム拮抗薬

カルシウムイオンの細胞内への流入を阻害することにより、心筋の抑制、平滑筋の弛緩を起こさせる。主に高血圧薬として用いられていますが、片頭痛治療薬としても使われています。

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